米農業のこれから①

2014.03.10(16:40)

米の事は以前から書きたかったのですが、専門でないのもありまして。しかし、こういうのは勢いもあるのでちょぼちょぼと書いていきたいと思います。
 まず日本においては農業イコール米でした。江戸時代では石高で表され、米の生産量が多い藩ほど豊かな大きな象徴でした。それが明治→昭和と戦中、戦後も相変わらず日本においての米の重要性は変わりません。国民の主食でもありますしね。そして1942年には米を作れば作るほど国が買い上げてくれる、いわゆる全量買い取り時代が到来します。これを「食糧管理制度」と言います。ちょっと詳しい人なら食菅制度と略して言いますね。 これは農家にとって楽といえば楽チンだったのかもしれません。戦後は食糧難でしたしね。自給率の向上は国家の急務でした。とにかく作れば作るほど買い取ってくれますのでね。その名残が今でも感じられるのが、山際や、林道のそばにネコの額のような小さな水田や、歪な形の水田を見かけたことはありませんか?もちろん今はバリバリの休耕田ですが。なんでこんな、どうみても畑に適さない所まで米を植え付けたのでしょうか。それはとにもかくにも米の生産量が欲しかったからです。戦後まだまだ土地バブルが到来していなく、農家はこぞって米を作付けしますそれは米に適さない日陰だろうが、水の溜まらない砂地だろうがね。こういう狂気じみた米作の背景には、ピーク時に一俵36000円、質は関係なく量で国がいくらでも買い取るという制度があったからです。そのかわり米は自家消費米以外は全て国に卸すという決まりでもありました。今が一俵あたりの買い取り値が平均11000~12000円(1等米で。3等米だと9000円前後)ぐらい。つまりピークの3分の1以下ですね。こうなったのも私がいつも言う需要と供給の関係です。米が足りない時は値段は高く、米余りの時は値段が安くなるわけです。米は1960年代ぐらいから生産量がMAXになります。品種改良のおかげで低温下状態でも米が栽培可能になります。最近では北海道の「ゆめぴりか」なんかが有名ですね。あの激寒の北海道で米が作れるわけです。凄まじいまでの品種改良っぷりその内米が「じょうじ」とか喋りだしそうですな。そこまで作れるようになると当然米の自給率は100%を突破します。そしてその拍車を掛けるように、戦後アメリカ節が実を結び日本人の米離れが加速します。戦後、日本にはアメリカから大量の余剰小麦を押しつけられ、主食の切り替え工作を徹底的に行われます。米は身体に悪い、米のとぎ汁は河川を汚すなど、米のネガティブキャンペーンをしまくります。そして私もそうですが1日に米を1度ぐらいしか食べない状態になるわけです。
 米はどんどん作られる、それなのに米の消費はバンバン落ちる、日本は米が余って余ってどうしようもなくなります。そしてついに1981年には食糧管理制度は改正されます。つまるところ相変わらず国は米を買い取るけど、農家個人でも勝手に売っていいよー、となるわけです。それでも今の今まで、米を国だけにしか卸さなかった、農家は急には方向転換ができません。ほとんどの米農家は国に米を卸し続けます。それなのに米の消費率は下がり続けます。今風に言うと、日本人の米離れ~とかいうやつですな。そんなに余ってるなら、輸出すればいいじゃん、とか、日本酒とかに~とかいうと話がソレこそ終わらなくなるので割愛してと。当時の政府は、米余りを打開するべく天下の悪法「減反政策」を始めます。これは有名すぎるので説明はいらないと思いますので省きます。そしてTPPと繋がります。
 さて、長々と日本と米の歴史みたいのを書きましたが、私が言いたいのは、この国の米作は色々な意味で限界に来ているのではないでしょうか。いやもう突破しているかも。猫も杓子も米作という時代はとうに終わりました。これから今まで通りに米作を続けても微妙どころか、無理ゲーです。産業形態が完全に移り変わってしまった今日。TPPが米産業とよく比較されますが、例え可決しなくても米産業の衰退は更に加速するでしょう。というか、農業自体がもうさよなら状態なんでね。では!過去のことを振り返ってばかりではしょうがないので、これからどうするべきか、そこが肝心です。それはまた次回に。
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コメント
「みかん」も似たようなものですね
こちらでも かつて 「みかんを作らなければ農家じゃない!」ってぐらい
みかんの栽培は盛んだったようです
農協も自治体も盛んにみかんの栽培を推し進めていたようですが 
過剰生産と消費の落ち込みで 価格は落ち込み
そしたらこんどは みかんの木を伐採したら一本につきいくら・・
という交付金を出していたそうです 
現在 国内のみかんの生産量はピーク時の四分の1に減っているそうです
もちろん未だに みかん農家は存在するのですが 
おおくのみかん畑が耕作放棄地となっています 
コメも同じ道をたどるのでしょうか?
農家はなぜコメをつくるのか?
わたしは それがずっと疑問でした 
そして その質問を 多くの農家さんにたずねました
ある方は「コメぐらいつくるのが楽ものはない」といいます
ある方は「機械をもってるから」といいます
ある方は「先祖から受け継いだ土地を守らねば」といいます
ある方がいいました「米作りってのは 農家が信仰する宗教だよ」笑
【2014/03/11 23:07】 | 長崎の研修生 #- | [edit]
>長崎の研修生さん。
いつも書き込みありがとうございます。

米に関してはこれから書いていきますので、よろしくお付き合い願います。

まあ、米だけでなく農業自体がオワコンなんで。産業構造も全く変わってしまいましたし、今更農業の復活は見込めないでしょう。だからこそ、これから農業を目指す方々は、普通のリーマンより少しは面白い生き方になるかも?
【2014/03/12 18:24】 | 百姓 参之介 #- | [edit]
ブログ拝見してます。今は高校生なんですが就農したいと思っています。が、親が持つ畑が5aくらいです。専業農家としてやっていけるでしょうか?
【2014/03/20 13:44】 | Micro #- | [edit]
>Micro
高校生で新規就農ですか!もう自分の将来を考えているんですね。凄いです。私が高校生の時は将来の将の字も考えていませんでした。私のことは置いといて、畑が5aだけというのは専業農家にしては少なすぎますね。もちろん農業といっても、色々な品目がありますので、それによって必要作付け面積というのは大きく変わっていきます。
 米作の場合は最低20ha(ヘクタール)必要になります。補足ですが1a(アール)は100㎡、1haで10000㎡になります。そして畑作だと最低1~2ha欲しい所ですね。また、ハウスを専門にする場合など面積がさらに変わってきます。単純に露地栽培のみですと、やはり1haは欲しいところです。まあ、最初でいきなり大きい面積で作付けしますとほぼ100%、手に負えませんので最初は20~30aぐらいでいいと思います。それで慣れてきたら徐々に増やしていけば良いでしょう。
 これから農地は継ぎ手が全くいませんので、余りに余ると考えています。土地バブルも遙か昔の事ですし。いきなり焦って大きな農地を扱うより、自分の手の届く範囲で農地を耕しましょう。
【2014/03/20 16:40】 | 百姓 参之介 #- | [edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2014/03/20 18:55】 | # | [edit]
> Microさん
研修は農家のダークな部分を知りたいのならば、いいですが、知識や経験面では微妙です。苦労は買ってでしろとよく言いますが、無駄な苦労、徒労は避けるにこしたことはありません。もちろん全ての研修場所を否定するわけではありませんが、ロクでも無い研修場所が多いのもまた事実です。大体の研修場所は人を人足か体のイイ労働力としか考えていません。そんなとこで働いても、身に付くのは農家に対する耐性だけです。あんまし農業のことは身に付きません。
 やはり独学でも自分の畑を相手に、農業本片手に実践をこなしていくのが1番だと思います。よく言いませんか?100回の練習より1回の実戦だと・・・。あんまり言わないか。とりあえずやってみたい作物をバンバン植えましょう。そんで採れたのを直売所でも何でも売っていきましょう。最初は採算度外視で。1年間に何を植えて何を採るか。何が売れるのかを、ドンドン学びましょう。少しでも参考になる、売り方、梱包方法、農法はガッツリ盗みましょう。何においても貪欲で、止まったらダメな鮪のイメージで進みましょう。
 私が答えられる事なら何でも答えますので、何でも書き込んで下さい。
【2014/03/20 20:59】 | 百姓 参之介 #- | [edit]
大根の品種はどんなものを使っていますか?
また、春まきはしますか?
【2014/03/21 14:46】 | ショーン #- | [edit]
>ショーンさん。
大根はサカタの「冬自慢」のみ、です。普通の青首系ですが、ス入りが遅く、11月から翌3月まで収穫ができます。味も青首の中ではピカイチだと思います。

春まきは大根も葉物も、キャベツ系も一切やりません。理由は、味が極端に悪くなるのと、気温が上がるので病害虫が大発生するからです。あと雑草も凄いので手間も経費も秋冬よりドンと掛かります。その割に安いです。この時期は夏物の準備で、1年で一番忙しい時期です。余計な作物をチョコチョコ売るより、単価のでかい夏物に焦点を合わせて作付けした方がいいと考えています。まあ、4月は丁度端境期なので春物に手を出したい気は分かりますが。
【2014/03/23 17:45】 | 百姓 参之介 #- | [edit]
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