新規就農のススメ

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⑥作物の売り先をどうするか?

 作物はただ生産するだけでは、暮らしていけません。作物を換金して初めて生活できるというものです。それにはキッチリ売り先を決めることです。色々な売り先があるでしょうが、どれも長所短所があります。それを私なりにまとめてみました。参考にしてください。

(1)直売所
 最もポピュラーな売り先といえます。TVや雑誌で扱われ、一般の人たちも耳にしたことがあるはずです。地方や都会近郊にも開店し、今や全国で完全に普及したといえるでしょう。入会規約もさほど厳しくなく、入りやすいので、新規就農はまずここからスタートするのが良いかもしれません。長所は、できた作物をそのまま店先に並べることができ、規格も値段も自分の思うがままにできるのがポイントです。短所は一定のマージン(売り上げの10%~20%ぐらい。店舗により差がある)を取られることと、並べる商品が季節ごとに重なりやすく、安売り競争になりやすいことです。全量買い取りではないので、売れ残りは自分で処理する必要があります。直売所の出品者は近辺の兼業農家(ほとんど家庭菜園レベル)の人がほとんどで専業はまずいません。ですから種まきの日がマニュアル通りに、全員キチッと撒くので、採れる日も一緒になります。そうすると商品棚は同じ品目で山盛り、山盛りだから売れない、でも自分のは売りたい。そうすると安売り競争の始まりです。「こいつが100円なら俺は90円、80円、70円・・・・・」どんどん下げるわけです。ひどい人になると10円、20円をつけたりします。10円で売れても手数料ン%取られたら、自分に入るお金は無いに等しいです。年金を貰ってる農家や他に職業を持っている兼業農家は、その直売所の稼ぎで暮らしているわけでは無いですから、良いのですけども、そうでは無い人たちはたまりません。この話はまた別枠で話しますが、直売所は売り先として、かなり良いです。

(2)市場出荷・農協(JA)に出す
 直売所ができてない一昔前には、JA以外に作物を売る場所はありませんでした。バブルの頃は、農協の旗が海外で何本も見られ、農協という日本語が海外でそのまま使えたくらいです。まあ知らない人はまずいませんね。農協に対して言いたいことは多々ありますが、まず純粋に長所は全量買い取りという事でしょうか。農家は販売、流通、消費を考えることなく生産に集中できることです。短所は無茶苦茶ありますが、まず超規格主義です。ちょっとでも長さや色、重さ、大きさが足りないと買い取ってくれません。しかも中抜きが凄まじく売り上げの60%は取られます。季節や天候により買い取り値が変わりますので、安心できません。ある大根農家が1000本市場に出したところ、口座に入った金額はなんと
700円!?でした。1000本で700円?ということは、1本10銭・・・・・・・。いつの時代の値段だよ。これでは箱代にもなりません。ですので市場出荷はよく考えてやりましょう。新規就農には向かないかもしれません。

(3)スーパー、レストランなどの外食産業
 これは長所短所という前に、新規就農にはまず無理というか、不可能というか。まあそういっても始まらないので、長所から。まず全量買い取りです、売れ残りという概念はありません。決まった量を定期的に買い取ってくれます。生活的のも安心です。短所は、店側からの要望に全て答えなくてはなりません。ですのでまず休みが無くなります。スーパーは毎日商品を出さなくてはいけませんので、商品を切らすと言うことができません。常時、安定した品質と量を要求されます。農業ですので天候や気温に作物の出来不出来がありますが、商品を出せなかったら即切られます。凄いシビアです。ぶっちゃけ落ち着きません。つまりそれくらいの量が常時出せるというのは、ある一定の畑の広さと施設がないと無理でしょう。だからというわけではないですが、新規就農には無理なのです。

(4)イベント
 イベント、つまりお祭りや、即売会ですね。これは良いです。長所だらけです。まず出店料が多少取られますが、売り上げは全額自分のモノです。直売所のように商品が重なるかもしれませんが、そこは自分の接客センスと話術でガッツリ売りましょう。1万人単位のお客が来るイベントだと、座る暇がないくらい、忙しいです。売り上げも10万円単位でいきます。なにより自分の商品だけを売れば良いのですから、ある意味楽です。短所は、売り子次第で売り上げが全然違います。値段もありますが、売り子が良いか悪いかの差は凄いです。なので慣れないうちは、売り上げがあまり芳しくないかもしれません。それから天候に超左右されます。暖かくて晴れていると人は多いですが、雨で寒いとサッパリです。これは室内で出店をしててもそうです。新宿の高○屋や銀座の三○でも雨だと売り上げが普通の半分以下になるそうですから。腐らないモノなら良いですが、生鮮食品はそうはいけません。イベントだからといって商品をたくさん揃えたら、雨でイベントが中止・・・・。このパターンは本当にキツいです。全部在庫ですからね。なので天気予報をよく見て、中止になりそうだったら商品を揃えるのはそこそこにしておきましょう。必ずリスクヘッジを考えておくように。

(5)宅配・通販
 これも最近メジャーになってきました。昔から生協などが野菜(だけではありませんが)を宅配してきました。このやり方の長所は、売れ残りがまず無いということです。決まった量を定期的に卸すわけですから。農協のように、中抜きされる心配もありませんし、直売所のように安売り合戦にもなりません。定期的収入にもなります。短所は毎回の梱包が超気を使います。トマトなどを送るときは緩衝剤を詰めまくっても潰れます。箱の中身を毎回色々な作物を入れなくてはなりませんから、かなり作付けを考えないと、上手くできません。箱の中が全部ブロッコリーというわけにはいきませんから。これを選ぶ場合はある程度農業熟練者ではないとキツイと思います。直売所や市場が遠い地方だと良いかもしれません。

他にもあると思いますが、徐々に書き足します。次は「番外編・直売所で売るには、そして直売所のこれから」です。
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